こんにちわ!管理人の祥子(@dog_abc_jp)です。
ヒルズサイエンス・ダイエットは、動物病院やペットショップでも良く見かける、誰もがご存知のドッグフードだと思います。
口コミを見ても、価格と食いつきに関してなかなか評判が高く、10年以上与えている方もいるようです。
- サイエンスダイエットの原材料の安全性
- サイエンスダイエット・プロ・との違い
- ヒルズ社のリコール問題
- サイエンスダイエットを与えている人の口コミ
このページでは、そんなヒルズサイエンスダイエットについて、原材料や危険性を徹底的に評価してみました。
また、上位版であるダイエットプロとの違いについても、詳しく解説していきます。
原料の産地など詳細が気になる方は必見です!
サイエンス・ダイエットの総合評価|Cランク
商品名 | ヒルズ|サイエンスダイエット|アダルト(1~6歳)|中粒|チキン |
総合評価 |
Cランク A~Cの3段階で評価 当サイトの評価基準は【ドッグフード一覧ランキング】にて解説 |
評価項目 |
第一原材料:×トウモロコシ、小麦 その他原材料:△動物性油脂、ビートパルプ 酸化防止剤:◎ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物 人工添加物:◎なし |
原産国 | チェコ |
第一原材料産地 | オランダやチェコの周辺国 |
内容量と価格 | ・2,148円/3.3kg ・3,950円/6.5kg ※全て税込、amazonより |
対応年齢 | 1歳~6歳の成犬 |
販売元 | 日本ヒルズ・コルゲート株式会社 |
公式サイト | 公式ページを確認する |
特徴 | 成犬におすすめ |
サイエンス・ダイエットはCランクです。
療法食なども手がけているメーカーなので、肉や穀類などの原材料は高品質なものを使用しており、評価できます。
しかし、穀類がメイン原材料である点や、動物性油脂などの不透明な原材料が使用されているところが気になりました。
また、過去に何度かリコールがあったことから、愛犬に与えるにはやや不安が残ります。
よってこの評価となりました。
サイエンス・ダイエットの原料を評価
トウモロコシ、小麦、トリ肉(チキン、ターキー)、動物性油脂、コーングルテン、トリ肉エキス、植物性油脂、ポークエキス、ビートパルプ、亜麻仁、米、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、アミノ酸類(タウリン、リジン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
原材料の産地を問い合わせてみた
ホームページを見ると「主原料のタンパク質、脂肪、炭水化物は高品質なものを使用」との事。
しかし、「高品質」という記載だけではざっくりしすぎていて、原料の産地すらわかりません。
そこで、実際に日本ヒルズ社に問い合わせてみたところ、
「主に製品はオランダやチェコで製造しており、原料はその工場の近くで調達している。また肉類は、品質の悪いものは使用していないが、モツなどの内臓部分も使用している」
との回答をいだだきました。
中国産などは使用していないようなので一安心ですね。
穀類がメイン原材料
含有量の多い順に、とうもろこし、小麦となっています。
犬にとって消化しづらい「穀類」がメインで、その中でもアレルギーを起こしやすいと言われているとうもろこしと小麦を使用しています。
アレルギーをお持ちのワンちゃんは、穀物不使用のグレインフリーを選んだほうが良いでしょう。
⇒ 穀物不使用!グレインフリーのドッグフードはどんな効果があるの?
肉類は生肉を使用
サイエンス・ダイエットでは「チキン」と「ターキー」を使用しています。
モツなどの内臓部分も使用してはいるものの、「ミール」や「パウダー」ではないきちんとした生肉を使用しています。
ここは評価できる点と言えるでしょう。
動物性油脂は不透明
「動物性油脂」と表示されているものは、基本的にどんな動物の油を使用しているかわからず不安な原料の1つです。
ヒルズ社では高品質なものを使用しているようなので、これを信じるならば安心と言えるでしょう。
⇒ ドッグフードの危険な原材料とは【安全フードの見分け方4つ】
副産物の使用について
コーングルテン、ビートパルプといった、副産物の使用があります。
コーングルテン
とうもろこしから澱粉(コーンスターチ)を製造する際に発生する副産物です。
体に害があるものではありませんが、カサ増しなどに使用されることがあります。
元がとうもろこしですので、アレルギーを起こす可能性があります。
ビートパルプ
砂糖大根から砂糖を製造する過程で出る副産物です。
こちらもコーングルテン同様カサ増しに使用される事があります。
体に有害ではありませんが、食物繊維が豊富で、うんちを固めてしまう作用があります。
犬が摂りすぎると便秘になってしまう場合があるので注意が必要です。
参照:ロイヤルカナン|犬と猫の栄養成分辞典「ビートパルプ|チコリーパルプ」
人工添加物不使用
原料を見たところ、危険な添加物の使用はありませんでした。
酸化防止剤もミックストコフェロールやローズマリー抽出物といった天然のものを使用しているので安心でしょう。
私の正直な感想
穀類が多い点と、アレルギーを起こしやすい原料を使用している点が気になりましたが、「品質」に関しては悪くはなさそうでした。
しかし、個人的には長期的に愛犬に与えたいかというと「うーん」という感じ。
品質基準や産地について、明確な記載がないため、信用性という点でも不安も残ります。
正直、もうワンランク上のドッグフードをあげたいと感じました。
我が家の愛犬に与えるのであれば、「動物性タンパク質」がメインのドッグフードを選ぶと思います。
副産物などの面で、危険性が高いといわれている要因になっているのかもしれませんね。
サイエンス・ダイエット<プロ>とは
サイエンスダイエット<プロ>の特徴
サイエンスダイエットには、サイエンスダイエット<プロ>というワンランク上のシリーズがあります。
プロは動物病院、または専門店のみの取り扱いで、避妊・去勢、腎臓、心臓、関節など、それぞれの目的に応じたフードを選ぶことができますよ。
「サイエンス・ダイエット」と「サイエンスダイエット・プロ」の違い
サイエンスダイエットとサイエンスダイエットプロの違いは
- 肉の含有量
- 取り扱い
- 価格
です。
一番評価できるのは、プロは第一主原料が肉類であるということです。
小麦やとうもろこしの量が減り、その代わりに玄米などが使われている点も違いの一つです。
その分、価格もプロの方が少し高いですね。
サイエンスダイエットプロは、取り扱いが少ないので、手に入れやすいのはスーパーでも買えるサイエンスダイエットになります。
サイエンスダイエットプロ|健康ガード 活力(小粒)の原材料
チキン、小麦、大麦、マイロ、トウモロコシ、コーングルテン、動物性油脂、チキンエキス、ビートパルプ、植物性油脂、ポークエキス、亜麻仁、オート麦ファイバー、リンゴ、ブロッコリー、ニンジン、クランベリー、エンドウマメ、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
第一主原料がチキン
サイエンスダイエットと違って、第一主原料に穀類ではなく、動物性タンパク質であるチキンを使用しています。
これはうれしい違いですね。
品質に関しても、ダイエットプロでは内臓部分の使用がなく、私たちが食べるような高品質な正肉を使用しているとのことでした。
動物性タンパク質の含有量が増え、消化吸収力が上がっているので、愛犬にやさしいドッグフードになっていますね。
穀類は多め
たくさんの穀類の使用をしている点ではサイエンスダイエットと変わりがありません。
タンパク質が豊富で脂質の少ないマイロが含まれていることから、穀類の質自体はランクアップしているようですね。
しかし、アレルギー面ではさほどかわりがなく、とうもろこし、小麦の使用はそのままです。
野菜や果物の使用が増えた
りんご、ブロッコリーなどの野菜や果物を使用しており、原料そのものの栄養素が期待できます。
添加物ではなく、食材から栄養が摂れるので、愛犬の体に優しくなっているのではないでしょうか。
サイエンス・ダイエットと比較した感想
サイエンス・ダイエットに比べると、全体的に原料の質の向上は認められます。
しかし、多くの穀類の使用やアレルギーを起こしやすい原料の使用はそのままでしたので、その点は残念でした。
ダイエットプロは決して安いドッグフードではありません。
コスパの観点から考えると、同価格帯のフードと比較して、今一つ魅力にかける気がしますね。
この値段を出すなら、他のフードを視野に入れてみてもいいかもしれません。
⇒ プレミアムドッグフードランキング!口コミで評判の餌はどれ?
療法食「プリスクリプション・ダイエット」の詳細
ヒルズ社のドッグフードには、特別療法食である「プリスクリプション・ダイエット」も販売されています。
病気の回復・生体機能の正常化を助けるために様々な病気のワンちゃんに合わせたドッグフードで、獣医の指導にしたがって与えるようにとされています。
プリスクリプションダイエットも長年の歴史があるドッグフードで、私も実際に愛犬に与えています。
私が使用しているのは歯の健康に特化したフードなのですが、実際になかなか効果はあるようです。
詳細はこちらの記事で紹介していますので、良かったらご覧になってみてくださいね。
サイエンスダイエットの製造元とリコール事件について
日本ヒルズ・コルゲート株式会社について
サイエンス・ダイエットは、日本ヒルズ・コルゲート株式会社(以下「日本ヒルズ社」)が販売しています。
親会社である、アメリカのヒルズ ペット ニュートリション インク社(以下「米国ヒルズ社」)は、今から100年以上前の1907年に創立されました。
日本では、1978年に
- 療法食「プリスクリプション・ダイエット」
- 健康維持食「サイエンス・ダイエット」
の発売を開始しており、とても歴史の長いドッグフードだということがわかります。
今現在も、ペットショップに行くとヒルズ製品は必ず見かけるので、根強い人気があるのでしょうね。
ヒルズ社のリコールについて
根強い人気のヒルズ社ですが、何度かリコールがありました。
- 米国ヒルズ社が対象となった、メニュー・フーズ社によるペットフードの大量リコール事件(2007年)
- 日本ヒルズ社で、違う製品の混入によるリコール(2013年・2016年)
- 犬用缶詰に、ビタミンDが過剰に含まれていたことによるリコール(2019年)
古いリコール情報は公式サイトから削除されてしまうようで、リンクが削除されてしまったものもありますが、私が調べただけでも、これだけのリコール情報が見つかっています。
ヒルズは、昔から結構リコールを繰り返しているようですね。
詳しく解説していきます。
1、メニュー・フーズ社による大規模リコール
2007年、汚染されたフードが原因で、たくさんのペットが死亡したため、ペットフードが大量リコールになるという事件がありました。
ペットフードの原料に使用されていた「中国産の小麦グルテン」に、タンパク質の数値を高める目的で「メラミン」という毒物が混入されていたのです。
問題となった中国産の原料を使用していた、大手ペットフード製造会社「メニュー・フーズ社」をはじめ、数社がリコールを発表しました。
米国ヒルズ社でも、メニュー・フーズ社に一部製品の製造を依頼していたため、ヒルズ製品のうち、猫用の製品もリコール対象になりました。
当初は猫用の缶詰だけが対象だったのですが、その後、問題の「小麦グルテン」を使用していることがわかり、プリスクリプション・ダイエット〈猫用〉m/dドライ製品も回収対象になりました。
カナダの大手ペットフード製造会社、メニュー・フーズが、3月17日、同社製造のペットフードを食べた犬や猫の腎不全が相次いで報告され、約10頭が死亡したとして昨年12月3日から本年3月6日までに出荷されたペットフードを全て(犬用フードが50品目、猫用フードが40品目)リコールすると発表いたしました。
弊社日本ヒルズ・コルゲート株式会社の親会社であります、米国のヒルズ ペット ニュートリション インクは下記に示すような一部製品の製造をメニュー・フーズに委託しております。
これまで、ヒルズ製品に関しましての問題発生の報告はございませんが、万全を期し自主的な回収に踏み切りました。
引用元:日本ヒルズ・コルゲート株式会社
米国ヒルズペットニュートリション社(以下ヒルズ)は、2007年に入ってから、メニュー・フーズ(カナダに本拠をおく大手ペットフード製造業者)に、異物混入した原材料を納品していた同じ原材料供給業者から小麦グルテンを購入し、〈猫用〉m/dドライ製品に使用したことを確認しました。
引用元:北米ヒルズ自主回収製品は日本ヒルズ製品には該当しません
メニュー・フーズ社は米国ヒルズ社だけでなく、数多くのメーカーからもペットフードの製造を請け負っていたため、このリコールはとても大規模なものになったようです。
ペットフード業界では、メーカー独自の製造工場で製品を作っているわけではなく、大手製造会社に委託してフードの製造をしているということが多々あるようですね。
この事例から、大手だからと言って無条件に安心できるわけではないのだなと感じました。
実は、世界中で流通しているペットフードの70~80%を大手製造会社の4社が独占的に製造している。
原料を一括で大量に仕入れて加工するシステムが出来上がっているのだ。
この4社で、ほとんどの有名ブランドのドッグフード、キャットフードを製造していることになる。(これを”OEM”と呼ぶ)
引用元:メニュー・フーズ社の「ペットフード大量リコール事件」とは
2、違う製品の混入
2013年、2016年に、日本ヒルズ社は、
- 「サイエンス・ダイエット シニア小粒高齢犬用4kg」の一部の製品に「プリスクリプション・ダイエット犬用z/dドライ」が混入
- 「プリスクリプション・ダイエット犬用 w/d 小粒 1kg」のうち一部の製品に「プリスクリプション・ダイエット犬用 r/d 小粒」が混入
という事があり、自主回収を行っています。
上記2件は、たまたま健康面に問題がなかったから良かったようなものの、プリスクリプション・ダイエットは療法食です。
それぞれの犬の体調や体質に合わせた食事のはずなのに、違う粒が混入してしまっていたら、療法食としての意味をなさないので、これは重大な問題だと思います。
3、ビタミンDが過剰に含まれていた
こちらはまだごく最近のリコールになります。
2019年2月、犬用缶詰の一部の製品に、ビタミンDが過剰に含まれていることが判明したため、「サイエンス・ダイエット」と「プリスクリプション・ダイエット」の製品の一部がリコール対象となりました。
ビタミンDは犬の必須栄養素ですが、過剰に摂取すると「嘔吐」「食欲減退」「排尿の増加」「過剰なよだれ」「体重減少」などの症状が現れることも。
また、非常に高いレベルで摂取してしまうと、腎機能障害など重篤な健康問題を起こす可能性もあるんだそう。
愛犬の健康を維持するための食事なのに、与えた餌のせいで病気になる可能性があるなんて恐ろしいと思いませんか?
過去の失敗をきちんと受け止め、これから更に徹底した管理をしていただけるように、日本ヒルズ社さんの今後に期待したいところです。
参照:プリスクリプション・ダイエット犬用 自主回収のお知らせ
当サイトに投稿された「サイエンス・ダイエット」の口コミ・評判
まだ評価がありません。最初の口コミを投稿してみませんか?
当サイトで調査した「サイエンス・ダイエット」の口コミ・評判
サイエンス・ダイエットの口コミ・評判
食いつきが良い
ほかのフードからの切り替えで、食いつきのよさを実感する飼い主さんも多いようです。
ワンちゃんにとっては大きな楽しみとなる食事なので、できるだけ喜んで食べて欲しいですよね。
ニオイがきつい
1才からずっと愛用しています(いま6才)
体調が悪いときはふやかしてからあげています。
ふやかすとニオイがきつくなるようで、食いつきが抜群に良くなります。
(が、噛む力が衰えてしまうので、普段はそのままあげています)
シニアになるまで本商品を継続購入する予定です。
サイエンスダイエットくさいから早く変えたかったの
— CHARA (@roast__pork0515) August 17, 2016
サイエンス・ダイエットは「においが強い」という意見も多く見られます。
ドッグフードの強いにおいは、飼い主さんからするとあまり好ましく感じられないかもしれませんが、犬の嗜好性を高めるという点ではひとつのメリットになります。
ただし、動物性油脂などを吹きかけてにおいを強めている場合は、酸化しやすいという問題もあるのでやや心配な点でもあります。
ダイエット〈プロ〉の口コミ・評判
信頼できる
ダイエットプロは、胃腸にトラブルを抱えている犬にも動物病院が勧めているようです。
第一主原料が穀物ではなく動物性タンパク質なので、穀物の多さが原因で体に負担をかけている場合はトラブル改善が期待できるでしょう。
身体が丈夫になった
2代目が少し体の弱い子で医師に勧められて購入しました。
最初は餌が代わり殆ど食べなかったのですが今ではよく食べてます。
毛の艶もツヤツヤになりました。
おやつもあげることもなくこれだけあげてます。
お陰で今は元気に公園で走り回ってます(定期的に病院はいきますが、治療は行わないですみました)
ただ、市販の物に比べるとどうしても高いのでもう少し安ければいいなと思います。
ダイエットプロを食べ続けることで、体が丈夫になったという口コミも。
やはり犬の体にとって動物性タンパク質は重要なのかもしれませんね。
まとめ
サイエンスダイエットは歴史も古く人気のあるドッグフードですが、リコールも多く、原材料にも不安な点がありました。
- 穀類の使用が多い
- 原料の品質自体は悪くない
- サイエンスダイエットプロは肉類メイン
- 度々リコールが発生している
ドッグフードの品質自体は粗悪ではありませんでしたが、穀類やアレルギーを起こしやすいと言われる原料の使用が目立ちました。
またヒルズ製品は、親会社も含め過去に何度かリコールがありましたので、製品に対して若干の不安が残ることは否定できません。
積極的におすすめはできませんが、ラインナップが豊富で、療法食も出しているので、愛犬の体調に合わせて選べるということは大きなメリットだと思います。